astral box / closet / 文語助動詞活用表

●ポイント
反語⇒「ん」(例外:盍「なんぞ〜ざる」)
何上状(態)、何下手(段)
於是⇒ここニおイテ・そこで
是以⇒ここヲもっテ・だから
以是⇒これヲもっテ・これによって
詩は押韻
而シテ⇒しこうシテ・そして
肯定文の能⇒「よく」
与⇒くみス・あたフ・あづかル・ト
対句
何トナレバ⇒なぜならば

●語句
玄:暗い
穿:穴を開ける
口:言葉
雉:きじ
馭:制御する
通弊:悪いこと
匹夫:つまらない男
慮:考える
如:匹敵する

●英語で言い換え
孰=who/which
なんすれぞ=なんぞ=いづくんぞ=あに=why

●読みにくかった句形
以A為B⇒AをもってBとなす・AをBと思う
不亦〜乎⇒また〜ずや・なんと〜ではないか
無A不B⇒AとしてBせざるは無し・どんなAでもBしないものはない

●注意すべき語法
置き字 ×順接や逆説の意を表す。
於(于・乎)× 場所・対象・時間・目的・起点・比較・受身の意を表す。
焉・矣×断定や強調などの意を表す。
×文のリズムを整える。
再読文字 いまダ〜ずまだ〜でない
且・将まさニ〜[セント]す 今にも〜しようとする
〜するつもりだ
まさニ〜ベシ当然〜すべきだ
まさニ〜ベシきっと〜だろう
よろシク〜ベシ〜するのがよい
〜するのが適当である
すべかラク〜ベシぜひ〜する必要がある
由・猶なホ〜ごとシちょうど〜と同じだ
あたかも〜のようだ
なんゾ〜ざル どうして〜しないのか、〜したらよい
●否定形
単純否定 不(弗)〜[セ]ず〜しない。
〜でない。
非(匪)〜ニあらズ〜ではない。
無(莫・勿・毋・亡)〜[スルコト]なシ〜してはいけない。
不可〜[ス]ベカラず〜してはいけない。
〜できない。
不能〜[スルコト]あたハず〜できない。
不得〜[スル]ヲえず〜できない。
二重否定 無不〜[セ]ざル[ハ]なシ〜しないものはない。
無非〜ニあらザル[ハ]なシ〜でないものはない。
非不〜なキニあらズ〜がないわけではない。
無A不BAトシテB[セ]ざルハなシ どんなAでもBしないものはない。
無A無BAトシテBなキハなシどんなAでもBのないものはない。
不敢不あヘテ〜[セ]ずンバアラず どうしても〜しないではいられない。
未嘗不いまダかツテ〜[セ]ずンバアラず これまでに〜しなかったことはない。
不必不かならズシモ〜[セ]ずンバアラず 必ずしも〜しないとは限らない。
不可不〜[セ]ざルベカラず〜しなければならない。
不得不〜[セ]ざルヲえず〜しないわけにはいかない。
不能不〜[セ]ざルあたハず〜せずにはいられない。
不為不〜[セ]ずトなサず〜しないとはいえない。
部分否定 不常つねニハ〜[セ]ずいつも〜するとは限らない。
不倶ともニハ〜[セ]ず両方ともには〜しない。
不甚はだはダシクハ〜[セ]ずそれほどには〜しない。
不必かならズシモ〜[セ]ず必ずしも〜するとは限らない。
不復まタ〜[セ]ず決して〜しない。
二度とは〜しない。
全部否定 常不つねニ〜[セ]ずいつも〜しない。
倶不ともニ〜[セ]ず両方とも〜しない。
甚不はだはダシク〜[セ]ずたいそう〜しない。
必不かならズ〜[セ]ず必ず〜しない。
復不まタ〜[セ]ず 今度もまた〜しない。
特殊な形 不敢あヘテ〜[セ]ず決して〜しない。
敢不〜[乎]あヘテ〜[セ]ざラン[ヤ] どうして〜ないだろうか、きっと〜する。
●使役形
A使(令・教・遣)BCDAハBヲシテDヲC[セ]しム AはBにDをCさせる。
命ABAニめいジテB[セ]シムAに命令してBさせる。
召ABAヲめシテB[セ]シムAを呼び寄せてBさせる。
説ABAヲとキテB[セ]シムAを説得してBさせる。
●仮定形
如(若)〜もシ〜バもし〜ならば
苟〜いやしクモ〜バもし〜ならば
縦〜たとヒ〜トモたとえ〜としても
雖〜〜トいへドモたとえ〜としても
使(令)ABAヲシテBしメバもしAがBであるならば
今〜いま〜バ仮に〜ならば
今もし〜ならば
不A不BA[セ]ずンバ(ざレバ)B[セ]ずAしなければBしない。
無A不BAなクンバ(ざレバ)B[セ]ずAがなければBしない。
非A不BAニあらズンバ(あらザレバ)B[セ]ず AでなければBしない。
A則BAレバすなはちBAならばBである。
●限定形・累加形
限定形
[副詞]
唯(惟・但・只)〜たダ〜ノミただ〜だけだ。
独〜ひとり〜ノミただ〜だけだ。
限定形
[助字]
〜巳。〜のみ〜だけだ。
限定形
[副詞+助字]
唯〜巳。たダ〜のみただ〜だけだ。
累加形 不唯〜たダニ〜ノミナラずただ〜だけではない。
非独〜ひとり〜ノミニあらズただ〜だけではない。
何独〜なんゾひとり〜ノミナランヤ どうしてただ〜だけだろうか、〜だけではない。
豈徒〜あニたダニ〜ノミナランヤ どうしてただ〜だけだろうか、〜だけではない。
●比較形
A〜於(于・乎)BAハBヨリモ〜AはBよりも〜だ。
B不如(若)ABハAニしカズ BはAに及ばない。
BよりAがよい。
莫如(若)AAニしクハなシAに及ぶものはない。
莫〜於AAヨリ〜[ナル]ハなシAより〜なものはない。
莫〜焉こレヨリ〜[ナル]ハなシこれより〜なものはない。
○比況形
如(若)〜〜ごとシ〜のようだ
猶(由)〜なホ〜ごとシ ちょうど〜と同じだ。
あたかも〜のようだ。
●選択形
寧A、無BむしロA[スト]モ、B[スルコト]なカレ いっそAしても、Bするな。
与其B、寧AそのB[セ]ンよリハ、むしロA[セヨ] Bするよりは、Aする方がよい。
与其B、不如AそのB[セ]ンよリハ、A[セ]ンニしカず Bするよりは、Aする方がよい。
B孰-与(孰-若)ABハAニいづレゾBとAではどちらがよいか。
●抑揚形
AB。況C乎。AハB。いはンヤCヲや。 AはBだ。ましてCはなおさら(B)だ。
A且B。況C乎。AスラかツB。いはンヤCヲや。 AでさえもBだ。ましてCはなおさら(B)だ。
A且B。安C乎。AスラかツB。いづクンゾCセンや。 AでさえもBだ。ましてどうしてCしようか。いやしない。
A猶(尚)B。況C乎。AスラなホB。いはンヤCヲや。 AでさえもBだ。ましてCはなおさら(B)だ。
A且猶B。況C乎。AスラかつなホB。いはンヤCヲや。 AでさえもBだ。ましてCはなおさら(B)だ。
以A且B。〜AヲもッテスラかつB。〜 AでさえもBだ。〜
※「況」以下が言外に隠れた形。
●疑問形
疑問詞+
文末の助字
何(胡・奚・曷)〜也(乎・哉)なんゾ〜やどうして〜か。
疑問詞のみ 何(奚)〜なにヲ[カ]〜[スル]なにを〜か。
誰(孰)〜たれカ〜[スル]だれが〜か。〜するのはだれか。
何(胡・奚・曷)〜なんゾ〜[スル]どうして〜か。
安(悪・焉・寧)〜いづクンゾ〜[スル]どうして〜か。
安(何・悪・焉)〜いづクニ[カ]〜[スル]どこに〜か。
孰(奚)〜いづレカ〜[スル]どちらが〜か。
何―〜なんノ―カ〜[スル]どんな―が〜か。
何―〜いづレノ―カ〜[スル]どの―が〜か。
文末に不・未 〜不(否)〜ヤいなヤ〜か、どうか。
〜未〜ヤいまダシヤ〜であるか、まだだろうか。
助字のみ 〜乎(邪・耶・哉・也・与・歟・夫)。〜か・〜や〜か。
疑問詞+
他の語
何以〜なにヲもッテ[カ]〜[スル]どうやって〜か。
どうして〜か。
何為(胡為・奚為)〜なんすレゾ〜[スル]どうして〜か。
幾何(幾許)いくばく[ゾ]どれくらいか。
何如(何若)いかんどのようであるか。
どうだ。
如何(奈何・若何)いかんどうしたらよいか。
如何+
目的語
如〜何〜ヲいかんセン〜をどうしたらよいか。
●反語形
疑問詞+
文末の助字
豈〜乎あニ〜[セ]ンやどうして〜か、いや〜ない。
何〜也なんゾ〜[セ]ンやどうして〜か、いや〜ない。
安〜哉いづクンゾ〜[セ]ンやどうして〜か、いや〜ない。
独〜乎ひとリ〜[セ]ンやどうして〜か、いや〜ない。
疑問詞のみ 豈〜あニ〜[セ]ンヤどうして〜か、いや〜ない。
何(胡・奚・曷)〜なんゾ〜[セ]ンどうして〜か、いや〜ない。
安(悪・焉・寧)〜いづクンゾ〜[セ]ンどうして〜か、いや〜ない。
何(奚)〜なにヲカ〜[セ]ンなにを〜か、いやなにも〜ない。
誰(孰)〜たれ[カ]〜[セ]ンだれが〜か、いやだれも〜ない。
幾―いく―どれくらいの―か、いやどれほどもない
安(何・悪・焉)〜いづクニカ〜[セ]ンどこに〜か、いや〜ない。
助字のみ 〜乎(邪・耶・哉・也・与・歟・夫)。〜[セ]ンや〜か、いや〜ない。
疑問詞+
他の語
何以〜なにヲもッテ〜[セ]ンどうして〜か、いや〜ない。
何為(胡為・奚為)〜なんすレゾ〜[セ]ンどうして〜か、いや〜ない。
幾何(幾許)いくばく[ゾ]どれくらいか、いやいくらもない。
如〜何(奈〜何・若〜何)ヲいかんセン〜をどうすることができようか。
何不(盍)〜なんゾ〜[セ]ざルどうして〜しないのか、〜したらよい。
敢不〜[乎]あヘテ〜[セ]ざラン[や] どうして〜ないだろうか、きっと〜する。
●詠嘆形
文頭に感動詞 嗚呼(于嗟・嗟乎・{口矣}・噫・嗟)ああああ、〜だなあ。
文末の助字 〜哉。(矣・乎・夫・歟・与)〜かな・〜か・〜や〜だなあ。
疑問・反語を用いて
詠嘆を表す
何〜也なんゾ〜やなんとまあ〜なことよ。
不亦〜乎まタ〜[カラ]ずやなんと〜ではないか。
豈不〜哉あニ〜[ナラ]ずやなんと〜ではないか。
●受身形
見(被・為・所)〜〜る・[セ]らル〜される。
A於(于・乎)BBニA[セラ]ルBにAされる。
為A所BAノBスルところトなルAにBされる。