astral box / closet / 文語助動詞活用表


助動詞 文法的意味(口語訳) 未然 連用 終止 連体 已然 命令 接続 ポイント
過去 過去(…タ) (せ) しか 連用 ■カ変、サ変には"こし""こしか""きし""きしか""しき""せし""せしか"
■直接経験したことを回想
けり 過去(…タ/…タソウダ)
詠嘆(…ダナア/…タコトヨ)
(けら) けり ける けれ ■伝え聞いたことを回想
■和歌や会話文中は詠嘆が多い
完了 完了(…タ/…テシマウ/…テシマッタ)
強意(キット…/タシカニ…/必ズ…)
並列(…タリ…タリ)
つる つれ てよ 連用 ■強意は"つべ""ぬべし""てむ""なむ"の形が多い
■"にけり""てけり"は完了+過去
ぬる ぬれ
たり 完了(…タ/…テシマウ/…テシマッタ)
存続(…テイル/…テアル)
たら たり たり たる たれ たれ ■断定の"たり"とは接続が違う
未然-サ
命令-四
★さみしいり
推量
<ん>
推量(…ウ/…ダロウ)
意志(…ヨウ/…タイ/…ツモリダ)
勧誘/適当(…ナサイ/…ノガヨイ)
仮定/婉曲(…トシタラ/…ヨウナ)

<ん>

<ん>
未然 ■主語が一人称:意志、二人称:勧誘/適当、三人称:推量を表すことが多い
■"むず"は"むとす"が変化したもの
★スイカ買え
むず
<んず>
むず
<んず>
むずる
<んずる>
むずれ
<んずれ>
らむ
<らん>
現在推量(…テイルダロウ/今ゴロハ…ダロウ)
現在の原因/理由の推量(ドウシテ…ノダロウ)
現在の伝聞/婉曲(…トカイウ/…ヨウナ)
らむ
<らん>
らむ
<らん>
らめ 終止
連体-ラ
■目の前に見えない現在を推量
■伝聞/婉曲の"らむ"は連体形で用いる
けむ
<けん>
過去推量(…タダロウ/…タノダロウ)
過去の原因/理由の推量(ドウシテ…タノダロウ)
過去の伝聞/婉曲(…タトカイウ/…タヨウナ)
けむ
<け>
けむ
<けん>
けめ 連用 ■既に終わっている過去を推量
■伝聞/婉曲の"けむ"は連体形で用いる
べし 推量(キット…ダロウ)
意志(…ウ/…ヨウ)
適当/勧誘(…ノガヨイ/…スルガヨイ)
当然/義務(…ハズダ/…ベキダ)
命令(…セヨ/…ナサイ)
可能(…コトガデキル)
(べく)
べから
べく
べかり
べし

べき
べかる
べけれ

終止
連体-ラ
■"つべし""ぬべし"は強意表現
■"べし"の打消→"まじ"

★スイカ止めて
らし 推定(…ラシイ/…ニチガイナイ) らし らし らし ■確かな根拠に基づく推量
めり 推量(…ノヨウダ/…トミエル)
婉曲(…ヨウダ)
めり めり める めれ ■目の前の事実を断定せずに遠回しに表現
まし 反実仮想(モシ…トシタラ…ダロウニ)
ためらいの意志/希望(…ヨウカシラ)
推量(…ウ/…ダロウ)
ましか
ませ
まし まし ましか 未然 ■反実仮想の場合は"ませば…まし""ましかば…まし""せば…まし"の形が多い
打消 打消(…ナイ) (ず)
ざら

ざり



ざる

ざれ

ざれ
未然 ■完了の"ぬ""ね"とは接続が違う
打消推量 打消推量(…ナイダロウ/…マイ)
打消意志(…ナイツモリダ/…タクナイ)
未然 ■"む"の打消→"じ"
まじ 打消推量(…ナイニチガイナイ/…ナイダロウ)
打消意志(…ナイツモリダ/…タクナイ)
不適当(…ハヨクナイ/…ナイノガヨイ)
打消当然(…ハズガナイ/…スベキデナイ)
禁止(…スルナ/…イケナイ)
不可能(…デキナイダロウ/…デキソウニナイ)
(まじく)
まじから
まじく
まじかり
まじ

まじき
まじかる
まじけれ

終止
連体-ラ
■"べし"の打消→"まじ"

★スイカ止めて
伝推 なり 伝聞(…トイウ/…ダソウダ/…ト聞イテイル)
推定(…ラシイ/…ヨウダ)
なり なり なる なれ 終止
連体-ラ
■断定の"なり"との違いに注意
断定 なり 断定(…デアル/…ダ)
存在(…ニアル/…ニイル)
なら なり
なり なる なれ なれ 連体
体言
助詞
■完了の"に"とは接続が違う
■"にあり""に侍り""にかあらむ""にやあらむ""にて""にして"の"に"は断定の場合が多い
たり 断定(…デアル/…ダ) たら たり

たり たる たれ たれ 体言 ■完了の"たり"とは接続が違う
■漢文訓読語に多い
自可受尊 自発(自然ト…サレル/…ラレル)
可能(…コトガデキル)
受身(…サレル/…ラレル)
尊敬(オ…ニナル/…ナサル)
るる るれ れよ 未然-
四ナラ
■自発/可能には命令形がない
■完了の"る""れ"との違いに注意
■"れ給ふ""られ給ふ"の"れ""られ"は尊敬ではない
らる られ られ らる らるる らるれ られよ 未然-
上以外
使役
・尊敬
使役(…セル/…サセル)
尊敬(オ…ニナル/…ナサル)
する すれ せよ 未然-
四ナラ
■単独で用いられる場合は使役を表す
■"せ給ふ""させ給ふ""しめ給ふ"の
"せ"させ""しめ"は尊敬を表すことが多い
さす させ させ さす さする さすれ させよ 未然-
上以外
しむ しめ しめ しむ しむる しむれ しめよ 未然
希望 まほし 希望(願望)(…タイ/…テホシイ) (まほしく)
まほし    
  から
まほしく
まほし   
  かり
まほし


まほしき
まほし   
  かる
まほし   
  けれ

未然 ■"あらまほし"は、"あら/まほし"(ありたい/あってほしい)と二語である場合と、
"あらまほし"(理想的だ/好ましい)で一語である場合がある
たし (たく)
たから
たく
たかり
たし

たき
たかる
たけれ

連用
比況 ごとし 比況(<マルデ>…ノヨウダ/…ト同ジダ)
例示(<タトエバ>…ノヨウダ)
(ごとく) ごとく ごとし ごとき 連体
体言
助詞がの
■"ごとくにあり"から変化した"ごとくなり"を助動詞として扱う場合がある